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Sさんの味噌漬け、山の保存食。

先日、五木村のシナ子さんに味噌漬けをいただいた。

用件があって白岩戸地区のSさんを訪ねた。
3回目ワクチン接種を昨日済まされたそうだが、マスクしっかり装着でかなりソーシャルディスタンスを保ちつつ、ちょっとだけお話を伺う。

(末尾に味噌漬けレシピあり)

Sさんの味噌漬け、山の保存食。_b0125397_21310888.jpg


おいしい味噌漬けをいただく。


道の駅で働いていた時に、出荷物の集荷というすてきな仕事を担当していた時期があり、白岩戸は毎週水曜と土曜の朝に回っていた。

Sさんご夫婦は、野菜、じゃがいも、ヤーコン、茹でたけのこ、塩漬けわらび、椎茸、たけのこの皮ほか、少量ずつながら1年を通して商品を出荷して下さった。

数年前にお連れ合いさんが亡くなってからも、1人で昔の屋敷跡(白岩戸地区は集落の成り立ちが独特で、焼畑で暮らしていた時代にはもっと標高の高い場所に住んでいて、ある時代に川沿いの今の集落に降りてきた家が数軒ある)の畑に通い、楽しみにと少しずつ出荷を続けて下さっていた。

SさんにはOさんという妹さんがいて、このOさんもまた「達者か」人で、野菜づくり、山菜採り、保存加工、饅頭、漬け物、煮しめ、グラウンドゴルフと、とにかく尊敬する達人であり、道の駅五木を支える出荷者である。

SさんとOさんと同じきょうだいのKさん(男性)という方がいて、道の駅にお二人と同じようなわらびの塩漬けを出されている。
作られてるのは奥さんですか?と聞いたら、それはKさん本人で、母親に教えられたからだそう。


アネさんが早く悪うならしたで、母親がよう教えらした。
私どん兄弟がこまんかうちから、漬け物やらなんやら。
やっぱ山じゃ漬けもんやら保存食は大事だけんですな。
割と男の割にはまめで器用かで、昔からよう作りよらした。
Oも元気のよかでなんやかや作りよる。
味噌漬けも大体な私んとと同じですな。
同じ母親から習うたとですけん。

最近は年とってゆだくで(面倒で)、味噌漬けは昨年な生姜だけしか漬けとらん。
昔は大根やら柚子やらも漬けとったばってん。
うちんとは少し味噌は甘かですもんな。
辛かとより食べよかで。

わらびももう採りきらん。
網張って管理ばしとる山で採らしてもらいよったばってん、年でもう採りきらんで、管理すっとも返した。
最近な、手のかなわんとたい。

わらびん塩漬けは、そんまま生んまま漬けたら黒うなってしまう。
生んまま漬けらす人もおるばってん、私んどんはやっぱ湯がいてから塩漬けしたとが色のきれいかでそうしよる。
酢のもんにした時に、やっぱ紫やら黄緑やらのがきれいかで。

今はもう、わらびやたけのこの塩漬けも味噌漬けもなか。
去年な、うちたちん母が103歳で亡くなって、四十九日やら何やらで寄って、そこで出して使ってしもた。
やっぱいくら年は取っとっても、親が死んだらさみしかですな。

あんたに、味噌漬けばちいとやろか。
もう漬けもん小屋も、昔んごと樽はなか。作らんもんじゃっで。

Sさんの味噌漬け、山の保存食。_b0125397_21315101.jpg


これはおとどしの生姜ですな。
去年のはまだ漬けたままで手も付けん。
長う漬けたがよかし、まだ古かとのあっでですな。
大根もちいとあったで、入れとくな。
大根も1年前のたいな。
味噌ば軽く流しとこか。
これはこんままでも冷蔵庫に入れとったら全然傷まん。

Sさんの味噌漬け、山の保存食。_b0125397_21321513.jpg


べったら漬けも少しやろか。
私は自分で食うとよか、人にやっとが多かでな。
今年はス(柚子)のようできたな。
大根に、スば2つに割ったとば一緒に漬けたら、香りのよか。
これは1月15日くらいに漬けた。
寒い季節だけん傷まんばってん、これから先に漬くるとはぬくうなってくで傷むな。

Sさんの味噌漬け、山の保存食。_b0125397_21323143.jpg

……

そんな話を聞きながら、洗ったり袋に入れたりを手伝っていたら、戸の外からモクモクと白い湯気が。

あ、しまった、風呂が…とSさんが慌てて家の中へ。
薪ボイラーで風呂を沸かしていて、95度以上になったら自動的に外に流れるようになるらしい。

すみません、話に夢中で…と謝ると、いやいや私が油断しとったで、と、どこまでもお気づかい下さるSさん。
冷やかで峠は気を付けないよーと見送られ、帰路に。

お漬物、大切においしくいただきます。

追記
Sさんの味噌漬けレシピを紹介します。
「五木のうまかもん 五木村ふるさと家庭料理レシピ集 vol.2」(発行:五木村物産館出荷協議会)より
Sさんの味噌漬け、山の保存食。_b0125397_22410344.jpg

# by from_itsuki | 2022-02-07 21:26 | 五木の生活文化

3/10-6/7民博「焼畑〜佐々木高明の見た五木村、そして世界へ〜」

今年3/10-6/7までの期間、大阪の国立民族学博物館にて、佐々木高明氏の焼畑展が開催されます。

セミナーなど関連企画も盛りだくさん!
第一線の研究者、夢の共演が実現!!

五木村からの展示品も数多く出張出展されます。
近隣の方、遠方の方、ぜひご覧下さい。

3/10-6/7民博「焼畑〜佐々木高明の見た五木村、そして世界へ〜」_b0125397_21212562.jpg

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国立民族学博物館企画展
「焼畑〜佐々木高明の見た五木村、そして世界へ〜」

詳細ページ

開催日:2022年03月10日〜2022年06月07日
時間:10:00〜17:00
場所:国立民族学博物館 本館企画展示場
主催:国立民族学博物館、 五木村 

■展示概要
焼畑は人類の歴史とともに長い伝統を持ち、現在でも熱帯地域では欠かせない生業基盤のひとつになっている。しかし東南アジアなどでは森林破壊の原因のひとつと見られ負のイメージが強い。
一方で焼畑は、アワ、ヒエ、バナナ、サトイモ、アズキ、ソバ、カブなどが栽培されて、収穫後は畑地を森にもどす再生型の農耕であり、その間には狩猟や採集がおこなわれる。このため今日の日本では自然に優しい持続型農法として注目されている。

本展では、佐々木高明が熊本県五木(いつき)村で撮影した焼畑の写真や現地で使用されてきた道具をはじめとして、日本や世界の焼畑がどの地域でどのような環境のもとおこなわれてきたのか、各地域の焼畑の特徴はなにかを紹介する。また、五木村を中心とした世界の焼畑をとおして、人間と自然との共生のありかたについて考えてみる。

■佐々木高明 SASAKI Komei
1929-2013 年。民族学者、地理学者。国立民族学博物館二代目館長。文学博士。日本や世界の焼畑研究の第一人者。主な著作は、『稲作以前』『日本の焼畑』『照葉樹林文化の道』『日本文化の多様性』など。1958-60 年の五木村での調査を出発点として世界的に焼畑研究を展開した。紫綬褒章、今和次郎賞、南方熊楠賞などを受章(賞)している。

参考 民博データベース


3/10-6/7民博「焼畑〜佐々木高明の見た五木村、そして世界へ〜」_b0125397_21213962.jpg

【関連催し】

◎みんぱくゼミナール
◆焼畑は環境破壊か――佐々木高明の研究とその後
日時:2022年3月19日(土)13:30~15:00(13:00開場)
池谷和信(国立民族学博物館教授)、佐藤廉也(大阪大学教授)、米家泰作(京都大学教授)
https://www.minpaku.ac.jp/ai1ec_event/29611

◎みんぱくウィークエンド・サロン――研究者と話そう
◆日本の焼畑
日時:2022年3月27日(日)14:30~15:00(14:00開場)
池谷和信(国立民族学博物館教授)

◆台湾原住民族と焼畑農耕
日時:2022年4月3日(日)14:30~15:00(14:00開場)
野林厚志(国立民族学博物館教授)

◎みんぱく映画会
◆焼畑から見た日本の文化
日時:2022年4月30日(土)13:00~16:00
ディスカッション:
野本寛一(近畿大学名誉教授)
川野和昭(元鹿児島県歴史・美術センター黎明館学芸課長)
池谷和信(国立民族学博物館教授)
上映作品:「椿山――焼畑に生きる」

◎友の会講演会
◆佐々木高明を語る――研究とその人物像
日時:2022年5月7日(土)13:30~15:00
ヨーゼフ・クライナー(ボン大学名誉教授)、宇野文男(元福井大学教授)、池谷和信(国立民族学博物館教授)

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ブログ管理人は、展示に関連して3/12に開催される、生き物文化誌学会の焼畑例会にて報告予定です。


# by from_itsuki | 2022-02-06 21:16 | 観光情報・お知らせ