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昔ながらの釜炒り茶の製茶


聞いた話では、九州山地は元々「釜炒り茶」という独特の製法で製茶する産地なのだそう。
ただでさえ少ない釜炒りのお茶は、製茶工程の機械化が進んだ昨今、さらに少なくなっていると聞く。

五木も昔はどこも、自宅のクドで釜炒りをして製茶していた。
でも、今村内で製茶ができるのは、松井茶園の製茶工場1ヶ所だけ。
ほかにも製茶工場はあったけれど、数年前の大雨後の土砂災害で製茶施設がつぶれてしまったり、それぞれ廃業したり。
五木で製茶した釜炒り茶に出会うことも難しくなってきている。

そんな中、茂さんの家は昔と変わらず釜炒りをして製茶している。
もしかしたら五木村で唯一かもしれない。
一部機械化されたとは言え、薪と電気とLPガスを上手に使って
自家消費用にと少量生産をしている。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_21291017.jpg


最初に、お茶の選別。
褐色で硬い表皮のついた枝部分やその他のものが入っていないか、大まかに選別する。
茶摘みの時にアライと、ここで結構たくさんの枝部分が見つかる。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_2139312.jpg


その後、茶摘みメゴに1杯、約3キロ500のお茶の葉を、1回目の釜炒り機に入れる。
最初は蓋をしたままで蒸し、しばらくしてから蓋をあけて炒る。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_22262893.jpg


中はこんな感じ。

どこで1回目の釜炒りを止めるかは、長年の感。
茂さんが釜の中に耳を傾けてじっとしているので、音で分かるんですか?と冗談交じりに聞いたら「そぎゃん。サラサラ言うとだいたい良かったいなぁ」とのこと。
失礼しました・・・。

「サラサラ」と音がするようになったら、一旦外に出す。
炒り過ぎると湿り気のない乾燥した茶葉になってしまう。
炒りが足りなくてもいけない。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_2145833.jpg


大きなショウケにお茶を出し、ここでも選別。
湿気を含んだお茶は、茎は折れたりそのままの長さで、葉は撚れている状態。


昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_22265094.jpg


茶葉はこんな状態。
これはうまく仕上がったもの。炒り過ぎると、焦げてぱらぱらした茶葉が混じる。

続いてジュウネンキ。
揉む・捻(ね)じると書いて、揉捻機。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_2150038.jpg


ショウケで入れます。
第1段階の釜炒りは3.5キロで、それを4~5回分まとめて揉捻機にかける。

スイッチオン。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_21531835.jpg


ゴゥゥゥゥンとうなりを上げて、大きな鉄製の臼が回り、お茶の葉は、筋状の溝のある台座との間で揉まれていく。
チユキさんは、専用のホウキを手に、はみ出てしまった茶葉をもう一度溝の中へと掃き戻す。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_22281828.jpg


あっと言う間に、茶揉みが終わった。
思っていたより短時間。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_22251640.jpg


電源スイッチを止めて、台座の片方をガクンと外し、下に敷いたゴザの上にお茶の葉を掃き出す。

これはやっぱり2人3脚が便利。
チユキさんが選別をしたり、茶葉の様子を確認している間に、茂さんは次の釜炒り準備に入る。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_2222333.jpg


これはガスと電気が動力。
自分で建てたという製茶工場の外には、LPガスボンベが設置されていて、そこからガスが引かれている。

フラッシュをたいているので止まっているように見えるけど、実際には高速回転中。
右下にガスの炎があり、ドラムの中に熱風が送られるしくみ。
左側面には、ファンが高速回転している。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_227302.jpg


そして最後の釜炒り機。
大きな釜をガスで熱して、お茶の葉を炒る。

既製品ですかと聞いたら、そうなのだと言う。
レンガ部分は自分で作ったもの。でも既製品。

昔ながらの釜炒り茶の製茶_b0125397_22112711.jpg


30分間炒ったら、一旦取り出す。
これも2人3脚の共同作業。

最後の釜炒り工程をあと3回ほど繰り返し、製茶作業終わり。

夜になったので、この日は1回目の釜炒りだけでひとまず終わりです。
続きはまた明日。
by from_itsuki | 2008-05-16 22:22 | 茂さんちのまわり