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入鴨観音堂の堂祭りを見学。

6月16日は、五木村郷土研究会の6月例会。
今月は、村内でも最も小さな集落の一つと思われる、入鴨地区の堂祭りにお邪魔しました。

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各集落の堂祭り現在でも、集落の祈りと願いの場、農作業や山仕事の労いの場、集落の絆を深める懇親の場として、多くの地区で続けられています。

入鴨観音堂では6月18日が縁日ですが、休日に合わせて、今年は16日(日)の開催となりました。
そこへ、地区外に住む郷土研究会メンバー10名(私以外は村内の皆さん)がお邪魔させていただきました。
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川辺川の支流、梶原川を少し上り、さらに山手へ入った場所にある入鴨地区。
コバサク(焼き畑)や炭焼きが盛んだった一昔前までは、奥山や山の中腹にも家が点在し、30軒ほどが暮らしたそう。
現在は村道沿いに3軒の家族が暮らす、静かな集落です。

五木村は、広大な山に点在する大小のほぼ集落ごとに、30前後のお堂があります。
1つのお堂の中に、お地蔵さんとお大師さんが同居していたり、複数の仏像を祀るお堂もあります。
また、お堂と別に、集落で阿蘇神社や白木神社など地区の氏神さまを持つ集落もあり、山の神を祀っている集落もあります。

入鴨地区の入口に立つ、入鴨観音堂のご本尊は、11面観音座像。
頭上に複数の仏面を掲げ、おだやかな表情で座したこの仏さまは、五木村で最も古い仏像の1つで、約500年前に彫られたものだそう。
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元はお寺だったと言われ、200年前の五木谷絵図には善能寺(真言宗)として記されています。
お堂の裏には、丸い石を重ねた石塔が並び、歴代住職の墓と伝えられています。
その後の明治一初めの資料では消えているので、廃仏毀釈の際に廃寺になったのではとのこと。
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彩色も残る貴重な仏像ですが、地区の方によると、かつてこのご本尊が盗難に遭ったことがあるそう。

警察にも被害届を出していたところ、福岡で発見され、集落のみんなで引き取りに行ったことがあるとのことです。
それ以来、普段はお堂には鍵が掛けられるようにしたそうです。
まったく不心得者がいるものです。

今回参加した郷土研究会会員の中には、入鴨観音堂のことは知っていたが初めて間近で拝顔した、という方もいらっしゃいました。
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お堂にお線香とお神酒を上げ、お参りした後は、早速懇親会へ。
元はお堂の隣の板間を使っていましたが、現在は別棟の集落の公民館が宴会会場です。

宴の冒頭、集落の長老である豊永さんからの歓迎の挨拶の中で、地区の住民だけでは祭りを受け継いでいくことも難しくなってくる中で、皆さんからもまたお知恵をお借りしたい、との話がありました。
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入鴨の堂祭りは、1月(小正月)、6月、9月、10月の各18日。
以前は、各家で饅頭を作り、お供えした後は各家で分けていたそう。
赤飯や煮しめなどを作って持ち寄り、囲んでいましたが、作るのが負担になる家も出始めたため、話し合って外から鉢盛を取るようになったそうです。

10月27日には、地区の氏神さまの入鴨阿蘇神社の秋祭りがあり、以前は村の本社から神官さんを呼んでいたそうですが、現在は地区住民で掃除をしてお参りするだけ。
鯛などお供えものや神官さんへのお礼などで、各家1万円以上の負担になることもあって、地区だけで祭りを行うことにしたそう。
ただ、一年で最後となる締めくくりの祭りになるため、この日はみんなですき焼きなどをして盛り上がるそうです。

現在のお堂は、周辺地区の方々の寄進によって建て替えられたものですが、すでに50年以上が経過し、床も天井もボロボロに。
床は、地区の若い衆で昨年張り替えたそうですが、天井はたわんで板も割れたまま。
祭りだけでなく、お堂の維持費もまた課題だそうです。
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堂祭りの宴会には、手づくりこんにゃくや五木豆腐、高菜漬けやホルモン味噌炒めなど、各自の持ち寄りも加わって、和やかににぎやかに2時間余り続きました。
缶ビールはいつしか焼酎に変わり、参加会員の話題は、自分たちの地区のお堂について。
代替地への移転の際に、集落のお堂4棟を失った頭地地区からの参加者を中心に、やはりお堂という場はいろんな意味で必要だよね、またお堂を再建したいとの意見も。
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今回の例会は、信仰の場所、民俗や文化財としての価値というだけでなく、お堂や祭りがもたらす集落の絆の意味についても、改めて考えさせられる機会となりました。

次回例会は勉強会となる予定ですが、今後も、村内の貴重な堂祭りへの参加見学、研修は継続予定でまた楽しみです。

入鴨地区の皆さん、この度は大変お世話になりました。
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by from_itsuki | 2019-06-22 13:49 | 五木の生活文化