(記事)宙に浮くダム中止補償法案


先日再開され、大きな進展を見せた三者協議

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関連して、

熊本県議会で、
国の補償法の早期成立を求める意見書を採択した記事と、

宙ぶらりんのまま行方知らずとなっている
「国の責任」について問う記事です。

後者記事は、一番下に転載していますが、
まったくその通り。

五木村に近い県が、手厚く柔軟に対処すればするほど、
本来問われるべき国の責任がかすんでいくという状況。
だけど、国が重い腰を上げるのを(上げるかどうかも
分からないのに)、延々と待ち続けているぐらいなら、
県のサポートを得て、現実的な目の前の課題を少しでも
解決していくしかない・・・

そんな村の苦境が感じられます。


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■五木村再建 補償法「早期成立を」
http://mytown.asahi.com/kumamoto/news.php?k_id=44000001106290001
(朝日新聞 2011年6月29日)

  県議会の総務委員会は28日、川辺川ダム計画で疲弊した五木村
の生活再建のために国が約束した補償法の早期成立を求める意見書を
採択した。26日に現行制度での村の再建策が合意されたのを受け、
国の責任を明確にする狙いとみられる。

  意見書は菅直人首相と国土交通相、衆参両院議長あてで7月1日
の県議会本会議に提案され、可決される見通し。

  26日に五木村であった3者協議では、村と県、国は補償法案の
成立を待たず、国の補助金など現行制度を活用した事業に着手するこ
とで合意。県はまた、来年度から村の振興事業に総額50億円の財政
支援を行うと表明した。

  こうした対応について28日の委員会では、「現実的な対応とし
ては評価するが、(本来は)補償法でやるべきなのを忘れてはいけな
い」との意見が出た。坂本基・企画振興部長は今後も法案成立を求め
る姿勢を強調しながら、「政治の不始末を拾う状況には正直、忸怩
(じく・じ)たる思いがあるが、名を捨てて実をとった」と心情を吐
露した。

  一方、県が実施すると公表した村内の国道445号未供用区間の
整備に国の財政支援がある点に触れ、「補償法で整備する場合と県の
負担は変わらない。いわば知恵の産物だ」と説明。50億円の数字の
根拠については、ダム計画で残された村の生活再建関連7事業が「実
施された場合に県が負担するであろう額」とした。

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■国が75%負担内諾 五木村の国道445号整備 県が説明
http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/kiji/20110629001.shtml
(熊本日日 2011年6月29日)

 国が建設中止を表明した川辺川ダム計画の水没予定地を抱える五木
村の振興策として、県が単独施工することで国や村と26日合意した
国道445号の未整備区間約1・4キロについて、県企画振興部の坂
本基部長は28日、国から事業費の75%を負担する内諾を得ている
ことを明らかにした。県議会総務常任委員会で説明した。

 坂本部長は「水源地域対策特別措置法に基づき、(国の)補助率の
かさ上げをもらうことで内々話ができている」と明言した。同法に基
づく事業の負担割合は国75%、県25%。これまで県は国直轄での
整備を求めていたが、坂本部長は、国が川辺川ダムなど大型公共事業
中止後の地元補償法を制定したとしても「県の財政負担はほとんど変
わらない」として「名を捨て実を取った」と強調した。

 県川辺川ダム総合対策課によると、国道445号の整備費は10~
20億円で、県の負担は最大5億円。県が村振興のために準備する5
0億円から支出する。

 総務常任委では、自民党の前川收氏(菊池市区)が「もともと民主
党政権がダム計画を中止し、補償法の制定を約束した」と指摘。坂本
部長は「民主党政権に補償法案をまとめる力があるのか疑問だが、約
束を守るよう求める県の基本姿勢は変わらない」と答えた。

 総務常任委は、国、県、村で26日に合意した生活再建事業の確実
な実施や、補償法の早期成立を国に求める意見書案を全会一致で可決。
定例県議会最終日の7月1日に提案することを決めた。(亀井宏二)

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■「県拠出に交付金活用」 国交相
http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/kiji/20110629002.shtml
(熊本日日 2011年6月29日)

 国が建設中止を表明した川辺川ダム計画の水没予定地を抱える五木
村の生活再建に関し、大畠章宏国土交通相は28日の閣議後会見で、
国、県、村の三者協議の場で検討している村の振興策に、国の社会資
本整備総合交付金を活用する考えを示した。

 三者協議は26日に開かれ、国が頭地大橋整備など4事業を継続し、
県は国道445号の整備などに着手することで合意。県は事業費とし
て50億円を拠出する考えを表明した。

 この県の拠出に対して、大畠国交相は自治体が使途を決める社会資
本整備総合交付金を挙げ、「協議の場で出された(村の将来)ビジョ
ン実現のため、交付金を生かし可能な限り支援していきたい」と言及。
具体的な金額には触れなかった。

 また大畠国交相は、村の生活再建に向け、農林水産省や文部科学省
など関係省庁に協力を要請する意向を示した。三者協議を2010年
11月以降開かなかった点を陳謝し、「新たな村をどう創造するかと
いう協議には、国がもっと積極的に加わっていくことが必要」と強調
した。(原大祐)

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■五木村再建で3者合意 宙に浮くダム中止補償法案
http://kumanichi.com/feature/kawabegawa/kiji/20110702001.shtml
写真:川辺川ダム計画に伴い、住民が移転した水没予定地。中央は建設が進む頭地大橋の橋脚=五木村

 国が中止を表明した川辺川ダム事業で、水没予定地を抱える五木村の生活再建事業が6月末、県による50億円の支出などを条件に前進することになった。国と県が役割分担でかみ合わなかった末、現行法の補助金などを活用する形になった。ダム中止後の補償法など国の責任や役割は依然不明確なままだ。

 6月26日、村と国、県の3者協議が終わった五木村役場。田山淳士村議会議長に促され、和田拓也村長が国土交通省や県の担当者と手を握り合った。3者の握手はダム本体着工を調印した1996年以来。和田村長は「多少は肩の荷が下りた」とほっとした表情を見せた。

「なすり合い」

 再建関連事業は11あり、水没予定地をまたいで川辺川の両岸を結ぶ「頭地大橋」の建設など4事業を、国がダム関連事業費で継続。3者協議は、残る7事業の役割分担をめぐり国と県の意見が対立、7カ月間開かれないままだった。「責任のなすり合いだ」との声も村民から上がった。

 こうした批判に加え、2012年度政府予算の概算要求も迫る中、県は7事業のうち、「観光客誘致などにつながる」と地元の要望が強い国道445号の未整備区間1・4キロの単独施工などを確約。財源として50億円の支出を表明した。

 県企画振興部の坂本基部長は、ダム関連事業が現行の水源地域対策特別措置法などに基づく事業である点を踏まえ、「50億円は残事業で県が負担する分と近い金額」と説明。

 「ダム中止の補償法案がいつ成立するか分からない中、『補償法で実施すべきだ』と言い続けるのは難がある。現行法で国の補助金を使い、前に進めるのが現実的。名を捨て、実を取った方がお互いのため」と話す。

 受け身

 補償法案は、民主党政権発足直後の09年9月、当時の前原誠司国交相がダム中止を表明した際に浮上。前原氏は「川辺川ダムを公共事業を中止した際の全国モデルにしたい」と強調した。だが同法案は政局の混迷もあり、国会提出すら見送られ続けている。

 大畠章宏国交相は「新たな五木村をどういう形で創造していくのか、国が積極的に加わることが必要だと率直に感じている」と述べたが、補償法案の見通しについて言及していない。

 また3者合意で、国交省は4事業の継続に加え、新たな農地造成などを盛り込んだものの、村振興計画には「財政面や技術面で可能な限りで支援する」との文言にとどめた。住民が移転した後、更地になっている水没予定地の活用策についても、「村から具体的提案を受けて検討する」と国の主体性はうかがえない。

 ダム計画発表の66年から丸45年。計画に伴う離村が相次ぎ、人口は1300人余りとピーク時の4分の1以下に減った。村の衰退は年々進む。「国道や農地造成などハード面の整備を、村民の所得向上や雇用確保、少子高齢化対策といったソフト面にどう結び付けるか」。和田村長の言葉に、山積する課題の難しさがにじむ。(臼杵大介、原大祐)

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(大滝自然森林公園でのランチタイム。2010年6月13日)
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by from_itsuki | 2011-07-04 16:31 | 観光情報・お知らせ

熊本県五木村に関する情報を発信中。


by yutera