(記事)五木村、損失検証へ(朝日)

五木村、損失検証へ
2010年01月21日
朝日新聞

  五木村議会ダム対策特別委員会が20日から、「川辺川ダム問題の長期化で村が失ったもの」をまとめる初の検証作業を始めた。数値に換算できるか否かを問わず、ダム計画に翻弄(ほん・ろう)された村の損失を洗い出し、国や県との話し合いの材料にしたいという。


  村執行部が議論のたたき台として提出した資料によると、1966年に旧建設省(現国土交通省)がダム構想を発表する前と現在を比べた村の損失は以下の通り。


  (1)水没者の移転による急激な人口減少(2)18校あった小中学校が3校に減少(3)事業所撤退で働く場が減ることによる働き盛り世代の村外流出(4)水没予定地の耕作地約54ヘクタールが消滅(5)伝統芸能など無形文化財が消滅(6)人口減で民間医院などが閉鎖し、公営での費用負担が増大(7)村中枢部が水没地となり村全体の振興計画立案に支障(8)かやぶき民家集落などの美観が移転で消失(9)集落の崩壊(10)人間関係の希薄化(11)ダムを巡る住民感情の対立(12)ダムに左右された住民の空虚な日々――など。人口減少に伴う交付税の減少額は、86年以降の24年分で総額22億円余と試算している。


  全村議10人で構成する特別委では、村議から「高台の代替地は気温変化が激しく、冷暖房の経費が増えた」「子どもの教育は金銭で取り戻せない」「川周辺の環境変化でホタルも激減した」「観光イメージがダウンし、観光資源の池や景観が失われた」などと発言が相次いだ。一方で「ダムが計画通り建設された場合の利点も盛り込むべきだ」との指摘も出た。


  閉会後、照山哲栄委員長は報道陣に「ダムは村から大変なものを奪い取った。お金にかえがたいものが失われた。数値化できるものはさらに詰める。前原誠司国土交通相や蒲島郁夫知事は『川辺川をダム中止のモデルケースに』と言うが、簡単にはいかないと知ってほしい」と話した。
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by from_itsuki | 2010-03-29 19:06 | 新聞・メディア報道

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