サクランボ植え替え


畑の隅に大きな梅ノ木があって、毎年白い花を付ける。
2月24日、今年も青空によく映える、満開の梅の花が見れた。

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先月、植木で有名な土地に行ったので、茂さんにお土産にと植木を買って送ることにした。

茂さんはとにかくいろいろ育ててみるのが好きで、私がロシアで買った種から、ロシア生まれの二十日大根を育てたこともある。
五家荘の人に分けてもらったエゴマも、早速育てて種を収穫されていた。

悩んだ末、やはり果樹が良いだろうと思って、ヤマモモとサクランボの苗木を選んで送った。
茂さんはとても喜んでくれたらしく、最近ではあまり手紙を書かないと言っていたのに、わざわざお礼のハガキまで届けてくれた。


さて、そのサクランボ。
植木屋さんのアドバイスでは、2株隣り合わせて植えると実を付けやすいらしい。
電話で伝えたつもりがうまく伝えきれてなくて、茂さんは2株をバラバラに植えてしまっていた。

そこで先日、サクランボの苗木の植え替えをすることになった。
畑の入口をスコップで掘り、土を付けたまま穴に植えて、周りから土をかぶせる。

「太(ふと)う育てよー」

最後にギュッと足で踏み固めて、終了。

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うまく行けば、今年から収穫できるかもしれない。

先のことを考えながら今を生きるのは、楽しいもの。
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# by from_itsuki | 2008-03-19 23:31 | 五木の四季と自然 | Trackback | Comments(0)

なぞの渡辺家


この地域では、焼き畑のことを「コバサク」と言う。

木が生えている場所を「コバ」(木場)というのに由来するらしい。
畑になるような開けた土地の少ない五木では、コバサクこそが重要な生産の場であり、食料調達のフィールドだった。

茂さんが元々住んでいた田口地区(今は一軒だけになって、他の家は村外や裏手の代替住宅地へ移転してしまったが)は、例外的に「ダンナ」家がない。

しかしその他の集落には、大抵「ダンナ」と呼ばれる地主の古い家がある。
コバサクは、山林地主であるダンナの山を借りて作るものだった。

中世の記録に、五木には33人の地頭(=ダンナ)がいたという話は、割と知られている。
いつか正式に調べてみたいと思いつつかなっていないが、そのうちの数軒は家がつぶれたり、村の外に出て行ってしまっていると聞いた。


このダンナ家や、五木村の庄屋だったとされる「渡辺家」の成立や盛衰は、山村文化や共同体の変遷をたどる上で非常に興味深い。


田口にダンナ家がなかったのは、庄屋だった「渡辺家」が「ツブレ」て「東京」へ出て行く時、持っていた山を地区の数戸の家や、地区へと寄贈したからだと言われている。

それがいつの頃のことなのか、私はまだ確認できていないが、「東京と言うからには明治になってからだろう」と茂さん。
ちなみに、役場の土地台帳(明治22年前後)をざっと調べてみたが、渡辺という姓を見つけることはできなかった。

田口にはダンナ家がないため、土地や山は、古くからの10軒(元は11軒だったが、かなり早い時期にうち1軒は財産を処分して村を去った)の農家による「10人持ち」「5人持ち」「3人持ち」などの共同所有になっていた。
茂さんの家もその一軒で、共同の山が多くあり、個人持ちの山はわずかなのだと言う。


渡辺家の最後の当主は、豪奢な生活を相良藩の殿様に咎められ、河原で切腹
させられたという話が残っているほか、「渡辺家の墓」と呼ばれる墓があり「渡辺星」と呼ばれる家紋が刻まれていたのを私も確認したことがある。

(残念ながら、移転や補償の混乱の中、元下手(しもて)地区にあった渡辺家の墓がどこにあるのかは未確認である)

その家紋は、現在では溝ノ口のダンナである木野家の家紋となっている。
溝ノ口のダンナは、渡辺家がツブレたあと、実質的な庄屋として存在したのだろうか。


地元には「渡辺家」と親戚にあたる家もあるらしい。
一度確認してみたいものである。
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# by from_itsuki | 2008-03-19 03:42 | 五木の生活文化 | Trackback | Comments(1)

爽やかカワバクショウ


山の春は、寒さの終わりと共にあわただしくやってくる。
野の花や新緑が競うように春を迎え、体いっぱいに命をみなぎらせる。

五木に春を告げる山菜のうち、早い時期から楽しめるものがある。
在来のものらしく、「カワバクショウ」と呼ばれている。

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春に枯れた草の間から新芽を出し、芽も葉も茎も全部食べられる。
のど自慢を見ながらの日曜のお昼の食卓に、揚げたてのカワバクショウのかき揚げが並ぶ。

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今年になってもう何度も食べた、とチユキさん。

口に入れて驚いた。
セリに似た香気と、かすかなレモンのような酸味が広がって、セリよりもずっと食べやすくておいしい。
こんなにおいしい山菜があるなんて!

カワバクショウの白和えも美味なのだとか。
夏の終わり頃だったか、種がたくさん採れるので、私も実家に持ち帰って、来年家でも食べられるように庭に撒いてみたい。

それにしても、おいしくて驚いた。
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# by from_itsuki | 2008-03-19 02:53 | 五木の四季と自然 | Trackback | Comments(0)

苦いおひたし


五木には、「ジゴナ」とか「クロゴナ」と呼ばれる葉野菜がある。
昔からあるザイライ(在来種)だと聞いた。

葉は濃い緑色でかつお菜に似て表面にちりめんのような皺がある。
生命力が強く、知らずに種がこぼれ落ちて、庭や畑のあちこちから芽を出す。
冬の一時期は、庭じゅうにジゴナがあって、もちろん食べつくせなかった。

3月になると、畑のあちこちにジゴナの黄色い菜の花が咲く。

いわゆるナノハナとどう違うのかよく分からないが、色が少し淡い気もする。
花粉が混ざったのか、たまに白い菜の花も混じる。

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チユキさんは、今年初めて、ジゴナのつぼみをおひたしにしてみた。

マヨネーズを付けて口に含むと、思ったよりもやわらかな歯ごたえ。
のどを通った後に、かすかなエグ味のような、苦味のような後味が残る。

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遺跡の発掘帰りに、地元の人は「この苦味がおいしか」と言って、ジゴナのつぼみを喜んで摘んで行くのだと言う。
(ここは、国のいう“川辺川ダム水没予定地”になっているので、埋蔵文化財の発掘が今もあちこちで行われている)

チユキさんは今年から、発掘のパートをやめた。
代替地へナオッた(移転した)人たちとの交流が減って、少し寂しい。

今年の春は、誰かジゴナのつぼみを摘みに来たのだろうか。
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# by from_itsuki | 2008-03-18 22:08 | 五木の四季と自然 | Trackback | Comments(0)

きんかん鈴なり


オガタさんちの畑の土手には、大きなきんかんの木がある。

毎年ざらざらと実を付けて、しばらく前、苫田ダムの関係者がバスで訪ねて来た時には枝ごと持ってお土産に持たせてあげていたのを覚えている。

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今年もまた、黄色くて大きな実をたくさんつけた。
チユキさんの弟が取りに来て、お返しに甘露煮を持ってきてくれたそう。

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私も甘露煮かジャムを作りたいと思い、チユキさんに分けてもらった。

「太かとはもう採られてしもうたばい」

二人で黙々ときんかん収穫。
日曜日の昼下がり。
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# by from_itsuki | 2008-03-18 21:26 | 五木の四季と自然 | Trackback | Comments(0)