梶原のお盆、はじまる。

14日朝、梶原地区で、お盆の入りを告げる
「梶原太鼓踊り」奉納が行われました。

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梶原地区は、川辺川支流の梶原川沿いの
標高600mにある小さな集落。
山の斜面に、9世帯が寄り添うように集まっています。

五木村内には、田口太鼓踊り、下谷太鼓踊り、瀬目太鼓踊り
(現在は踊られていない)と、ここ梶原地区に伝わる
梶原太鼓踊りがあります。

田口太鼓踊り、下谷太鼓踊りは、古くは雨乞いなどでも
踊られていたそうですが、現在は子守唄祭りで披露されるのみ。

梶原太鼓踊りは、20年ほど前までは子守唄祭り(旧産業祭)と、
地区の白木神社への奉納としてのお盆と年2回踊られていましたが、
踊り手が少なくなった現在は、お盆のみに地区でひっそりと
踊られています。

毎年、8月14日朝に、梶原のダンナ家だった旧椎葉家
(現坂口邸)の庭で踊り、集落の中を通り、踊りながら
神社の境内まで移動。
休憩を挟んだ後は、再度境内で踊って直会となります。


今日はあいにく、朝からパラパラ小雨模様。
朝10時に、坂口家の庭に、各人太鼓や鉦、衣装、
九連子鶏の尾羽のついた笠を手に集まり、どこで踊るかの話し合い。


このくらいの雨なら外でいいのでは?
服はいいが、笠は濡れると傷むから中がいいのでは



話し合っているうちに、長老の福一さんが登場。

「雨の降っとるで、集会所んから奉納すっでちゅうて
一応神さんにはことわっといたー」

鶴の一声で、それじゃと集会所の中で踊ることに決定。
道具を持って道へ下ります。

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集会所で衣装に着替えているうちに、空が明るくなり、
最終的に集会所前の道路で踊ることに。

鉦が2人、太鼓が3人。
福一さんは腰が悪いので、お堂前に座っての参加です。

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曲は「ひがしのやま」。


(本歌)
東の山の 松原見れば
梢に神の宿るらん

千代末代の 守りをうけて
国穏やかに めでたさよ

万年経たる 松原見れば
祝いの松と 思し召す

(引歌)
鶴どのは これも祝いと 思し召し
黄金の松に 巣をかける

亀どのは これも祝いと 思し召し
むろさに宿れ 夜明きの月

鹿どのは これも祝いと 思し召し
万年もみじ おふみならす


(「五木村学術調査 人文編」より)

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数年前までは、「東の山」「きよきぞめ」
「若君様」の3曲を踊っていたそうですが、
踊り手が減って分からなくなり、
ここ3年は「東の山」の1曲のみ。

しかし、1993年に熊本つるやで踊った時のビデオや、
古い子守唄祭りなどのビデオテープが見つかり、
来年はビデオ映像に学んで、ほかの曲も踊れるよう練習したい、
とのことでした。

今日も、1曲踊った後の休憩では、
杯を交わしながら古いビデオの鑑賞。

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この後は、普段着のまま再度奉納。
里帰りした懐かしい顔も、ギャラリーに加わり、
お昼前に直会となりました。

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梶原の太鼓踊りには、不思議な言い伝えがあります。

かつて、五木に流行り病が流行った時に、
梶原地区の人たちは白木神社のご神体である妙見さんに、
「地区の住民を守ってくれたら、踊り手が3人になるまで
踊りを奉納する」と願を掛けたそう。

その願いがかない、梶原地区では疫病が治まり、
それ以来、その掟を守って毎年踊り続けているのだそう。

14日は昨年の願解きと新たな願掛け、ショーロー迎えの意味があり、
15日はショーロー踊り、16日にショーロー送りとして
3日間続けて踊られます。

五木村でも貴重な、知る人ぞ知る山里の踊り。
ぜひ一度、梶原地区に見に来られては?

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by from_itsuki | 2012-08-14 17:22 | 五木の生活文化 | Trackback | Comments(2)

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Commented by higonokaze(佐伯K) at 2012-08-19 07:40 x
貴重なお盆の伝統ですね。
来年はビデオに記録させて欲しいですね。
出来ることなら絶えた踊りの復活の練習光景も・・

そしてKABの新発見伝くまもとで紹介したい。
Commented by from_itsuki at 2012-08-30 13:23
>higonokazeさま
コメントありがとうございます。
毎年8月14日と決まっていますので、来年はぜひ!私も途絶えた踊りの復活に期待しています^^